＜講義＞　ＡＴＰはエネルギー通貨

細胞は、光合成で作った糖や、食物として外部から取り込んだ糖をミトコンドリアで、二酸化炭素と水に分解します。
この過程を呼吸という。呼吸によって、糖の中にあった大量のエネルギーが取り出されます。


この時、取り出された大量のエネルギーを貯めて、持ち運びを可能にするのが、ＡＴＰです。



こうして作られたＡＴＰは、細胞の各所で、エネルギーの供給源として使われます。
例えば、筋肉が動くとき、筋肉の細胞の収縮装置（3年で詳しく学習）にＡＴＰのエネルギーが供給されると収縮します。
　　画像をクリックすると、収縮する心筋細胞の動画が始まります。


あるいは、ホタルの持つ酵素（酵素については生物基礎４で学習）にＡＴＰのエネルギーが供給されると発光します。
　画像をクリックすると、発光する動画が始まります。後半の内容は生物基礎４の内容です。

（ＹＯＵ　ＴＵＢＥ　Nature Photo & Videoより）

ＡＴＰはエネルギーの運搬体だと考えてください。

ＡＴＰの働きは、我々の生活の中のお金によく似ています。
呼吸によって得られたエネルギーをＡＴＰに貯め、生命活動に必要なエネルギーはすべてＡＴＰから供給します。
我々も働いて得られた報酬をお金として貯め、生活に必要なものはすべてお金によって得られます。
そのため、ＡＴＰはエネルギー通貨と例えられることがあります。